高千穂、鹿川渓谷
家族と旅に出た。二日目のキャンプサイトだけを予約する。3日間の食料とキャンプグッズを車に積み込む。他は無計画。
逍遙亭でござい。
コースは結果的に,大村(長崎)→南阿蘇(熊本)→高千穂(宮崎)→延岡(〃)→別府(大分)→大村と,中九州を周遊することとなった。
南阿蘇
1日目は南阿蘇をうろつく。20年前,ここいらは細い道が通りひっそりとした場所だった。ところが,ふるさと創成1億円資金で火がついて,各町が温泉を持っている。最近は整いすぎて,足が遠のいていた。
昼飯を食した「水郷の里」。手作りの豆腐定食がうまい。
休暇村南阿蘇ファミリーオートキャンプ場泊。
高千穂峡
翌日,高千穂峡へ。
高千穂峡では,国道沿いの駐車場に止めることをお勧めする。そこから階段を降り,15分ほど散策するのだ。美しい。ポスターによくある高千穂峡に浮かぶボートに乗った。40分ほど待ったが,その甲斐あり。不思議な空間だ。
ボートを下りたとたん,土砂降りの雨が降り始めあがりそうもない。唯一予約していた日之影キャンプ場(宮崎県)のキャンセルを決定。宿を探す。鹿川渓谷の鹿川山荘に,空きあり。予約する。
けれど残念である。モノの本に,キャンセルした日之影キャンプ場は,次のように紹介してある。「九州にもこんな所があったのか」 このフレーズが頭から離れず,せめてもと,見に行く。途中,トンネルを抜けると晴れだった。
到着までに,それほど時間は要しなかった。目にした光景がこれだ。川の水が,信じられないほど透き通っている。なんという場所だ。おまけに雨が降った形跡すらない。私はキャンセルしたことを後悔していた。場内のトイレに行く。出てくると,空がゴロッといった。あれっ?と思うまもなく,大粒の雨が落ち始めた。なんてこった。車めがけて走った。今日はこのパターンばかりだ。
鹿川渓谷 鹿川山荘
さて宿をとった鹿川(ししかわ)渓谷である。
なにせ雨はその日,キャット&ドッグ状態で降り続いた。国道に「鹿川渓谷」の看板あり。17キロと記されている。これが体験したことのないような,17キロだった。結局行き着くまでに,約1時間ほどかかることとなった
山荘に到着。宿のロビーで呼ぶも,誰も応えず。やっと深い渓谷の中に宿をみつけたと思ったら,無人。別の階に人を探しに行って,宿の方を発見。聞くと,「今夜は2組しか客がない。でももう1組はまだ来ない。来るんですかね,この雨の中?今夜は私たちは帰りますので,この宿はお客さんだけになります。明朝私たちは来ますから」とのこと。うーん,アバウトなとことが魅力的な宿だ。
部屋に通され,窓を開けて声をあげた。夕闇迫る中,左写真の光景が広がっていたのだ。結局,日之影キャンプ場をキャンセルした私は,それよりも深く険しい自然の中に導かれていた。
暗くなって別の一組もやって来た。偶然私が廊下に出たところ,彼らは不安な顔をして玄関に立っていた。「宿の人は別の階」と教える。
風呂は混浴。よくこんな所に作ったものだ。湯船に浸かり,後ろを振り返ると,歯茎を剥き出しにして自然が笑っている。写真で私の後ろに見えているのは,音を立てて流れる清流である。
食事は,ヤマメづくし。割箸の包みに,次のようなフレーズが書いてあった。「部屋にこもり もの思うことの 愚かさよ 山にきたれば 道自ずと開く」
翌日は晴れた。
7時から沢登りにでかける。
水の透明度がまるで違う。
宮崎県は,本当に川の美しいところだ。
このスケールでのこのての自然は,もう熊本県や大分県,ましては長崎県には望めない。
この3枚の写真が鹿川渓谷までの道。
道は車幅を許すのみ。わかるだろうか?岩の下がくり抜いて道が作ってあるのだ。そして「落石注意」の看板が至る所に立っている。トンネルの幅は車幅で,もっと凄いことに,内部がカーブしている。
ルート上には,その名も比叡山といってこんな岩むき出しの山があり,これに道が巻いてあると考えていただけばいいわけで……。
帰路
帰路である。
まず延岡へ。河川が美しい。鮎やながもうけられる川だ。宇目町へ。川に見とれる。なおかつ河原に車ごと降りて行けそうなところが,いたる所にある。このルートを取ったことを,幸運に思う。
北川ダムの「唄けんか大橋」を渡ったところに「うめキャンプ村」(TEL:0972-54-3088)があった。休息をとる。出来たばかりで,なおかつ設備は整いすぎるぐらい整ったサイトだ。
最後に別府の「竹瓦温泉」でひとっ風呂浴びる。一般入浴60円。砂風呂もあってこれは630円。湯が熱い。
後は高速にのって,一気に大村まで2時間半走った。
今回の旅の走行距離,しめて730キロ也。